年末に放送終了した大河ドラマ「真田丸」の最終回の最後のナレーションに「佐久間象山」の名が放送された。佐久間象山は、幕末に開国論者として歴史に登場し、弟子に勝海舟、坂本龍馬、吉田松陰等が名を連ねる指導者でもあった。開国の原動力になったのだが間もなく暗殺されてしまう。さて、麹やには佐久間象山の掛け軸が保管されている。象山は、漢詩にも造詣が深く軸には以下が記されている。軸自体には贋作が多いこともあり真贋は不明だが漢詩は象山のものだ。象山が蟄居(ちっきょ)したときの詩である。「まさにいま、世を動かそうという時に蟄居を命じられ、身を潜めざる得ない龍(象山)」の心中を詩ったものだ。
殷殷闐闐在遠空
密雲不雨日沈紅
雷公有意天下蘇
只向山中起蟄龍