品名:家紋蒔絵小箪笥
寸法:幅 36cm 奥行 24cm 高さ 36cm
現状:東日本大震災被災にて欠け、及び経年劣化による漆艶鈍化。
概要:全体に黒漆塗りとし、蓋の四廻、引き出しの上縁を金縁とする。蓋並びに本体側面、引き出し前面に多数の家紋を蒔絵で表現している。描かれた家紋は、戦国から徳川時代の大名家 家紋が多く、東北の有力大名として各地の大名と親交が深かった伊達家の遺品らしい品である。
破損状況:経年の日焼けにより全体の漆塗装膜表面の劣化が進み、艶が失われている。蓋の甲前面に座屈が一カ所ある。
修理方針:作品の古美術的な風格、美しさを残すべく、保存修理を行う。
修理方法:全体を注意深く洗浄し、前面の座屈は整形し、後に黒塗り漆を塗りこみ、傷を目立たせないように処理する。
金縁を復元する。古い部分と違和感の生じないように古色付けを行う。全体に黒漆を染み込ませて、塗装膜の強化をはかり、艶を適度に復元する。