寸法:径41cm/高さ6cm
現状:東日本大震災被災にて割れ。
年代:1610~1630年頃
概要:江戸時代17世紀に、有田(佐賀県有田町)を中心とする肥前国で製造された伊万里焼大皿である。特に1610年代から1630年頃までの初期製品を陶磁史では「初期伊万里」称する。この時期の製品は、白磁に青一色で模様を表した染付磁器が主で絵付けの前に素焼きを行わない「生掛け」技法を用いている点が特色である。この初期伊万里は1960年頃より素朴な美しさや叙情美が再評価され、早々に市場から淘汰されたことにより流通量の少なさから、以後希少性が高く珍重されるようになった。これを古伊万里と呼ぶ。
修理方法:作品の古美術的な風格、美しさを残しつつ、強度を確保する。破片の不足部分を整形し、破断面の目立つ部分を金継ぎすることで美術的価値を見いだす。
2年越しに麹やに戻った古伊万里焼染付大鉢。修復された大鉢は、けやきダンスに鎮座している。修復は金継を行い遠目からは、継を感じさせない完全体に見える。金継は最小限に行われ施行部位は、日本人の美術的価値を見いだしている。